陸上 心理の壁
今回は心理の壁について3つの例を挙げて書いていきたいと思います。
【目次】
陸上における心理の壁とは
「これ以上は厳しいと無意識のうちに思い込むこと」だと思います。
無意識のうちに心理の壁を作ってしまっている方多いと思います。
(例)
あと少しでサブ3なのに、、、
5000m15分台出せる練習はしているのにレースで力を発揮できない、、、
30km以降の対策をしているのに、いつも失速してしまう、、、
こんな経験ありませんか?ちなみに2つ目は2年前のponrunの経験です。
心理の壁はトップアスリートでも無意識のうちに作ってしまうようです。
トップアスリートの心理の壁
①1マイル4分の壁
1923年バーヴォ・ヌルミ選手が1マイル(約1609m)を4分10秒3という驚異的な記録で走りました。「この記録を破れるものはいない」・「人間の限界が4分10秒だ」などの声が多く上がりました。実際この記録は長い間破られることはありませんでした。
31年後、オックスフォード大学の医学部生のロジャー・バニスター選手が
科学的トレーニングを重ね3分59秒4という大記録を出しました。
大事なのはここからです。バニスタ選手が人類で初めて4分の壁を破ってから一年のうちに37人の選手が4分の壁を破ったというのです。
さらに翌年には約300人の選手が4分を切ったそうです。
極端に言えば300人近い選手が4分を切る才能を持っていたけれど、心理的な壁により力を発揮できていなかったということになります。
現在の1マイルの記録
記録 |
タイム |
名前 |
所属 |
日付 |
世界 |
1999年7月7日 |
|||
Jr世界 |
3分49秒29 |
W・ビウォット |
2009年7月3日 |
|
アジア |
3分47秒97 |
N・Dバジル |
2005年7月29日 |
|
日本 |
3分58秒89 |
柴田清成 |
1996年5月11日 |
|
Jr日本 |
4分02秒43 |
田子康宏 |
2002年6月19日 |
〈wikipediaより引用〉
現在はここまで記録が伸びています。
「人類は1マイルを3分台で走ることができる!」
この思考が足りなかったのですね。
②日本マラソン界
2018年東京マラソンで設楽悠太選手が16年ぶりに日本記録を更新したことは記憶に新しいでしょう。
その後大迫選手が二度の日本記録更新。服部勇馬選手の福岡国際での優勝。
他にもこれまで13人しかいなかった2時間8分切りの選手が27人に増えるなど躍進を続ける日本マラソン界。
この躍進には箱根駅伝を風靡したタレント達のマラソン参入や技術革新などさまざまな理由があると思いますが、
やはり最初に設楽選手が16年間の壁を打ち破ったことにより、心理的壁がなくなったことも一つの理由として挙げられるでしょう。
世界は2時間切りをしていますが、日本も切磋琢磨してさらに記録を更新してほしいものです。
大迫選手・設楽選手・井上選手はすでに4分台が見えているようです。
日本歴代10傑[編集]
位 |
タイム |
氏名 |
所属 |
大会 |
日付 |
1 |
2時間05分29秒 |
2020年3月1日 |
|||
2 |
2時間06分11秒 |
2018年2月25日 |
|||
3 |
2時間06分16秒 |
2002年10月13日 |
|||
4 |
2時間06分45秒 |
2020年3月1日 |
|||
5 |
2時間06分51秒 |
2000年12月3日 |
|||
6 |
2時間06分54秒 |
2018年2月25日 |
|||
|
|
2020年3月1日 |
|||
8 |
2時間06分57秒 |
1999年9月26日 |
|||
9 |
2時間07分05秒 |
2020年3月1日 |
|||
10 |
2時間07分13秒 |
2007年12月2日 |
〈wikipediaより引用〉
日本記録が更新される前に書かれた本ですが、これまで日本記録を塗り替えてきたレジェンド達の練習メニューやいま考えていることが書かれています。
個人的にとてもお勧めの本です。
|
③マラソン2時間切り
1マイル4分切りに時と同じようにマラソン2時間切りへの挑戦は人類がまだ到達したことのない未知の世界への挑戦でした。
breaking2
2017年5月イタリアのモンツァで一度目の挑戦が行われました。
ナイキのテクノロジー×エリウド・キプチョゲの挑戦ということで大きな期待が寄せられました。
結果は惜しくも26秒届きませんでした。(2時間00分25秒)
給水やペースメーカーなどの条件により公認記録とはなりませんでしたが、これまでの世界記録を2分32秒縮めました。
結果は失敗に終わりましたがナイキ関係者、何よりキプチョゲ本人は
「次は必ず2時間を切ることができる」と確信したそうです。
イネオス1:59チャレンジ
そして2019年オーストラリアのウィーン開催された「イネオス1:59チャレンジ」で
人類初の2時間切りとなる1時間59分40秒という驚異的な記録を出します。
こちらも非公認ではありますが「人類がマラソンで2時間を切った」ことに変わりはありません。
breaking2で得た確信によりキプチョゲの心理の壁は破壊されました。
そしてイネオス1:59チャレンジで2時間切りを果たしたキプチョゲの走りを見て人類の2時間切りは厳しいという心理の壁は破壊されました。
キプチョゲもしくはそれ以外のランナーが公認記録で2時間を切る日はそう遠くないかもしれません。
次回
心理の壁を作らない方法・壊す方法や最初に壁を壊した先駆者の共通点
などを書いていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
まだ読んでない方はこちらの記事を読んでみてください!
↓ほかの方のランニングブログも読み参考にしてみてください!